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2024年11月22日
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What are you fighting for?

2008年12月01日
能力者取材記録No.1332、音声記録より抜粋。
インタビュアー(以下、イ):本日は取材を受けていただきまして、ありがとうございます。
義衛郎(以下、義):いえいえ。お茶どうぞ。外、寒かったでしょ?
イ:わざわざすみません。後ほど頂戴します。それでは、始めさせていただきます。
義:はいどうぞ。
イ:須賀さんは今年6月に銀誓館学園に入学されたということで、間違いありませんか?
義:能力者として覚醒したのはそれより少し前なんですけどね、正式に活動し始めたのは6月です。
イ:半年ほどの活動歴で、現在発見されているゴーストタウン全てを単独踏破。目覚しい活躍ですね。
義:いや、自己回復持ちだったからってだけですよ。てかよく知ってますね、全部単騎で潜ってるなんて。
イ:取材相手について事前調査しておくのは、礼儀ですから。あ、お茶、冷めないうちにいただきますね。

(茶をすする音)

イ:さて、そんな成長著しい須賀さんですが、最終的に目指すところは?
義:そうだなあ、「ヤツをそこいらの能力者と一緒にするなよ」って言われるような能力者、かなあ。
イ:具体的には。
義:んー、ゴースト10,000体を単独で屠ることができるくらい。
イ:それはまた、壮大というか……。
義:自分でも馬鹿げてると思いますけどね。でも万一、世界結界が消えてゴーストが大量発生したときに、対処できるくらいにはなっておきたいから。
イ:なるほど。最悪の事態を想定した上で、なんですね。では質問を変えまして。
義:はい。
イ:須賀さんは、なんのために戦っていますか?
義:己のために。

(再び茶をすする音)

イ:ご自分のため?
義:一般人がゴーストに襲われてて、それを助ける力があるのに、見殺しにしたら夢見が悪くなる気がするんですよ。
イ:夢見、ですか。
義:わりとそういうの気にしちゃうタチなんで。要は自分の精神衛生のためってことですかね。

(焼き菓子をかじる音)

義:こんなこと言うのもアレなんですけどね。人それぞれ戦う理由はあるんだろうけど。
イ:はい。
義:それがなんのためであれ、結局、突き詰めちゃえば“己のため”だと思うんですよ。
イ:何故そのように思われますか?
義:なんだろ、何かのために戦うことで、大なり小なり充足感が得られるからかなあ。
イ:なるほど。大変参考になりました。ご協力、感謝します。
義:どういたしまして。ところでこれって、なんの取材でしたっけ?
イ:能力者向けのペーパーです。お茶、ご馳走様でした。

音声記録終了。

能力者取材記録No.1332、報告書より抜粋。

能力者名:須賀義衛郎
評価:B
補足:向上心は素晴らしいの一言に尽きる。しかし能力者としての自覚にやや欠ける印象。場合によっては再教育の必要性あり。要経過観察。
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