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引率やってきました
オレちゃんも3回目あたりまでは、先輩の能力者に案内してもらってましたよ。確か中学生でしたけどね。情けない。
で、小学生3人を連れて、学園から近場のゴーストタウンへ。
「どうしても3人でどうにもならないときは呼んでね。それ以外は自力でなんとかするように」とだけ言って、好きに戦わせてみました。
彼らも成長すれば、いずれチームを組んで依頼に参加し、誰かに指示を出す立場になります。
自分で考えて行動することをできるだけ早く覚えてもらえたらなと思って、敢えて放任です。もちろん、いつでも助け舟は出せるように、近くで待機はしてますよ。
潜って1時間ばかり経ったくらいでしょうか。
まあ普段やらない引率なんてやってたんで、注意力が散漫になってたんでしょう。恥ずかしながらリビングデッドに背後を取られまして。
ちょうど小学生達も戦闘が一段落ついたところで、こっちに気付いて助けにこようとするんですよ。
そんなときにオレちゃんが取った行動は。
そのときは右手にチェーンソー剣を持ってたんですけど、こう、左脇腹の横に突き立てました。
チェーンソー剣は見事リビングデッドの胴を貫通。ただ防具の形状の関係で、防具ごとなんですがね。
その後は特にトラブルもなく、無事に潜り終えたんですが、帰り際に尋ねられたんです。「どうして振り向いてから攻撃しなかったの?」って。
まあ普通なら振り向いてガードするなり、回避するなりしてから攻撃に転じます。わざわざ防具を破損させたりはしません。
しかしオレちゃんは破損を省みず、防具ごとリビングデッドを貫いた。純粋に不思議だったんでしょうね。
「体が勝手に動いちゃって」と苦笑いしておきました。あと「真似しちゃダメだよ」とも。
嘘は言ってません。本当に体が勝手に動いたんです。
ただ、望んでそうなったってだけで。
学園に来てからゾンビハンターとして訓練を受けるときに、どんなゾンビハンターになりたいのか尋ねられました。
だから答えました。
食うが如く、歩むが如く、息するが如くゴーストを殺す。そんなゾンビハンターになりたいと。
それからは毎日、訓練漬けです。
頭で考えるより先に体が動く。脳ではなく、筋繊維の1本1本、その芯の芯に戦いを覚えさせるために。
ま、話すと長くなるので割愛しときましょう。
それにしても小学生は純粋で可愛いですね。
「真似しちゃダメだよ?」って言ったら、3人揃って笑って「うん!」って頷いてくれるんですもの。
帰りに美味しいと評判のお店で、みんなでケーキを食べて学園に報告に戻りました。
たまには引率を受けるのも良いかもしれません。
小学生の純粋さに触れて、自分の汚れぶりを実感しても責任取れませんけど。
依頼で優先していること
まあオレちゃん個人の例になってしまうんですが。
まず第一に【生還すること】。
これは大事ですよね。オレちゃん、死ぬの怖いですもん。まだ若いし、やりたいこともそこそこあるし。
ただ依頼を成功させるために、ギリギリまで命を削る覚悟はありますよ。
知り合いの中には「五分の勝負はするな」って教えられてる人もいますけど、生きるか死ぬかという観点で考えたら、能力者なんていつでも五分の勝負しかできないんですけどね。
オレちゃんにとっての“生還”というのは、重傷を負おうがなんだろうが、生き再び戦えれば“生還”です。
それから【依頼を完遂すること】。それと【部隊の損耗を最小限に抑えること】。
この2つはほとんど同列に扱ってますが、依頼の完遂の方にやや重きを置いてます。
消耗を恐れて依頼に失敗してしまったら本末転倒も良いところですし。依頼遂行のために誰かが重傷を負わねばならないなら、それも已むなしでしょう。もちろん重傷になるのがオレちゃんだったとしても。
そしてようやく【一般人を守ること】。
依頼の内容に一般人の保護が含まれていれば、依頼の完遂と同様に扱うんですが、それ以外ならできるだけ無視したい要素です。
だって誰かを気にしながら戦うのってシンドイですもん。
結論。
オレちゃんは正義の味方にはなれません。
依頼は戦うだけのが好きです
ほら、依頼でよくあるじゃあないですか。「何かフォローを頼む」みたいな感じのが。
ああいうの苦手なんですよね。
基本的に“痛みの本質は、その痛みを受けた本人にしか理解できない”って考えてるからかもしれません。
家族が死んでしまって、学校に戻りますよね。そうするとみんな、なんか腫れ物を触るような感じで接してくるんですよ。
今なら「ああ、どう接して良いものか、困ってるんだな」って解るんですが、当時はそんなことに思い至る余裕もなく。もうひたすらに居心地が悪くて。なんというか、針のむしろに座らされて、傷口を紙やすりでザリザリ擦られているような。
で、「痛みは他人に理解できるものじゃあないんだな」と。
オレちゃんもゴースト事件に巻き込まれた人達の痛みは、完全には理解できません。彼らが受けた痛みとオレちゃんが経験した痛みは、似ているようで違いますから。
本題とは関係ない話を長々としてしまいました。申し訳ない。
さて話を戻しまして。
ナイトメアが関わってたりしたら、まあ言葉をかけるのは致し方ないと思うんです。そうしないと、またナイトメアがでしゃばってきちゃいますしね。
けど、普通の、というか、リビングデッドやらが関わってるゴースト事件に巻き込まれた一般人に、何かフォローっていうのも、ねえ。
何故にそう思うのか、例を挙げていきたいと思います。
まずは【自分の家族や恋人がゴーストだった】場合。
これはリビングデッド系の依頼や、今治市解放戦前に頻発していたリリスの事件なんかがありますね。
世界結界の外側にいる我々からしてみたら、ゴースト相手に幸せそうにしてるのなんぞ嘘八百も良いところなんですが、そんなもの一般人からしてみたら関係ありません。彼らにとっては、目の前にあるものが真の幸福。
我々は彼らから見れば、やれ世界を守るためとか手前勝手な理屈を並べ立てて、幸せを壊そうとする害悪でしかない。
そんな我々の言葉が届くのか。疑問で仕方ありません。
続きまして【ゴーストに唆されて人殺しの片棒を担いでしまった】場合。
先ほどの例と違い、言葉が届く届かない以前に、かける言葉がありません。一時の感情に流されて人殺しを、しかもゴーストに唆されてやってしまうような人になんて。
どうせ彼らの起こした事件は世界結界が事故か、何か都合の良いように処理してくれるんでしょうし。気楽で良いですね。
口を開けば、必ず追い詰めるようなことを言ってしまうと思います。故に沈黙するより他ありません。
そんなワケで、オレちゃんにゴースト事件の被害者を気遣うような依頼は無理です。
ただゴーストを潰して終わる依頼が楽で良いですね。面倒は御免被りたい。
しっかりしろよ銀誓館
なんですがオレちゃんにとって銀誓館は、むしろ軍事組織です。オレちゃんはそこに所属する兵隊。
それだからでしょうか。毎度、戦争のたびにポジション内で話し合いってのが、どうもよく解らないんですよね。
戦争なんて勝たなければ無意味です。
勝つためにはあらゆる方策を講じ、勝つためならどんな汚い手段だって行使するべきです。にも関わらず、末端の兵士達に作戦の方針を話し合わせて、「話し合いに参加している人が限られているのが気になりました」なんていう、至極どうでも良い理由で戦いが厳しくなる。
お偉方、勝つ気あるんでしょうか?
オレちゃんは、まだ2回しか戦争の経験がありませんが、2回ともクラッシャーでした。
クラッシャーは1000人規模で能力者が集まってきます。
もしお偉方の望むとおり、その1000人が話し合いに充分、参加したとしましょう。
いつまで経っても纏まらない気がするんですが。
こういう重要な局面で教育機関ぶらなくても良いのにな、と思います。
ゴーストってどう思います?
憎んだり、哀れんだり。人によっていろいろだとは思うんですが。
オレちゃんですか?
どうとも思いませんね。
ゴーストに感情を揺さぶられたのは、家族を殺したりリスが最初で最後。
オレちゃんを狙ったリリスに襲撃され、家族は殺され。そのときはリリスを憎悪しました。激怒しました。
幸か不幸か、復讐できるだけの力を手に入れて、無事に仇討ちを果たし。
で、学園に来て、これまでいろいろなゴーストを打ち倒してきました。けれども、あのリリスのときのように、ゴースト相手に憎悪も憤怒も沸いてこないんですよね。
だってオレちゃんとは元々、なんの縁もないじゃあないですか。ゴーストだって発生したくてしてるワケでもないし。
だからと言って、ゴーストに慈悲や許容をくれてやるつもりもありません。
放っておいたらマズいじゃあないですか、世界結界的に。
厄介事は規模の小さいうちに潰すに限ります。
憎悪も憤怒も、慈悲も許容も。何も抱かず、何も与えず、ただ滅すべき存在。
オレちゃんにとってのゴーストとは、そういうものです。
きっと今、家族がいて、その家族がリビングデッドになったとしても、「ふーん」って感じで討てると思います。
能力者という観点で見ると、精神的に成長したと思います。
人間としてはどうなのかと思わないでもないですが。